クルマに興味のない人には全く聞いたことがない名前かも知れません。
私は、昔シトロエンBXというフランス車に乗っていたことがあります。
そのクルマをデザインしたのがガンディーニです。
彼は数々のスーパーカーも手がける世界のトップデザイナーの一人です。例えば、ランボルギーニカウンタック、ランチアストラトス、マセラティクアトロポルテ、デ・トマソパンテーラ…
自身も、このガンディーニのシトロエンBXを買ったのも彼のデザインするクルマに憧れを持っていたからです。アバンギャルドなデザインにあの独特の後輪カバー、一目でそれと分かるクルマは自分にとっては最高の喜びでした。何せ人と同じものが大嫌い。そして、そんなデザインにも引けを取らないメカニック構造。車高調整が手元で出来るハイドロニューマチックサスペンションシステムで、乗車した人や、回りの人をよく驚かせたな。
シトロエンBXの話はこれくらいにして、ガンディーニに話を戻すと、その彼自身が所有しているクルマは、どこのクルマなのかは興味のある話ですね。
答えは、何とスズキのワゴンRだと言えば驚くでしょう。もちろん、欧州仕様のワゴンRだが基本的には日本で走っているそれと変わらない。では、彼はなぜワゴンRに乗っているのかと言えば、日本の軽自動車が好きだからです。
では、なぜ好きなのか?
それは、軽自動車という限られた規格の中で最高のデザインを追求しているからと答えています。それは、クルマとしての機能とデザインを両立させた機能美。ガンディーニのデザインにはスーパーカーも含めてそんな機能美があります。そういった共通点からワゴンRを選んだのかも知れません。
最初にガンディーニの手がけたクルマを紹介しましたが、実はベーシックカー(大衆車)も手がけていたのです。私が乗っていたシトロエンBXやルノー5、アウディ50や商用車のルノーマスターまで。
マルチェロ・ガンディーニ
イタリアのトリノ出身1938年8月26日生まれの現在78歳
1965年11月にジウジアローの後任としてベルトーネへ招かれ、チーフデザイナーとなる。
ベルトーネ在籍の最後のクルマがシトロエンBXなのです。